bokiwokangaeruのブログ

複式簿記と読書と日本酒についての備忘録です

存在しない時間の中で

 

【ストーリー】
世界各国から研究者や大学院生が集まっている天文数物研究機構。ある日、若手研究者たちが主宰するセミナーに謎の青年が現れ、ホワイトボード二三枚に及ぶ数式を書き残して姿を消した。誰も見たこともないその数式は、この宇宙そして世界の設計図を描いた〈何ものか〉が存在する可能性を示唆していた。人類は〈神の存在〉に沸き立ち、アクセスを試みる。そして、その日から現実が大きく変わることになる……

【感想】
久しぶりにSFを読みました。元々「神」に関するSFは好きでしたが、本書も大変面白く、読み始めたら止まらなかった。小説の最後も、人によっては物足りないかもしれないが、私的には大変きれいな終わり方でした。文章もシンプルで大変読みやすく、当著者の本を追いかけてみようと思みました。

【本書を面白く感じた方にお勧めの私の既読本】
下記2作とも「神」に関するSF。特に神狩りは「神」小説に興味をもつきっかけになった本です。どちらもコンパクトなページ数でまとまっており、読みやすいです。

【ストーリー】
情報工学の天才、島津圭助は花崗岩石室に刻まれた謎の《古代文字》を調査中に落盤事故にあう。古代文字の解明に没頭した圭助は、それが人間には理解不能な構造を持つことをつきとめた。この言語を操るもの──それは神なのか。では、その意志とは? やがて、人間の営為を覆う神の悪意に気づいた圭助は、人類の未来をかけた壮大な戦いの渦にまきこまれてゆくのだった。

【ストーリー】
超常能力ゆえに、自らに滅びの運命を課す独覚一族。
その一人である結城弦は、長老から、人類を第三次世界大戦の危機に陥れようとする正体不明の独覚の存在を知らされる。
ところが、一族の掟に従い、悪しき独覚を除こうとする結城たちの前に姿を現したのは、ブッダ入滅後五十六億七千万年を経て現世に出現し、衆生を救うといわれる弥勒だったのだ……。